お姉さんかな?


私はお姉さんらしき女性の後に続き二階へと足を進めた。


ある部屋の前で足を止め、その女性はドアをノックすると部屋の中に声をかけた。



「お兄ちゃん!!竜ヶ崎さんがお見舞いに来てくれてるよっ!!」



お兄ちゃん!?


この子幾つなの!?


部屋の中から返事が返っくると、その子はドアを開け私に部屋に入るよう促した。



「すみません、ありがとうございます」



軽く頭を下げお礼を言うと、その子は笑って階段を下りていった。


いやー大人っぽい子だったな。



『そんなところに立ってないで入ってきたら?』

「あっ、はい」



女の子の後ろ姿を目で追ったままボーッと突っ立っていたら、土屋先輩はいつもの柔らかい声で声を掛けてくれた。


部屋に入るとベッドに腰掛けた土屋先輩が笑顔で迎えてくれた。


棚には本がびっしり詰まっていて、土屋先輩らしい部屋だなと思った。


こんなに本が並んでるのに、漫画は一冊も置かれていない。