次の日学校は大騒ぎだった。


無理もないよね。


廊下のガラスが派手に割れてる上に怪我人まで出てるんだもん。


割れた窓ガラスには一時的に透明なプラスチックの様な板がはめられている。


噂が広まるのは早いもので、知らない人たちがわざわざ私を見る為に教室を覗きにくる。


こんなに注目されたのは生まれて初めてだ。



「見せ物状態だねぇ」

「そうだね」

「土屋君も酷い怪我じゃなくて良かったね。乃愛は無傷だしさ」

「――うん」



土屋先輩の体は傷がたくさんついていたけど、どれも浅いものらしく傷痕も残らないそうだ。


それでも念のため二、三日安静を取って学校を休むとの事。


土屋先輩に比べ私の体には傷一つなく、綺麗なままだった。


咄嗟に庇ってくれたのかもしれない。



「今日お見舞いに行ってくる」

「そっか、土屋君喜ぶよ」



抱きしめられた事もあって、正直会いづらい気持ちもあるけど、ちゃんとお礼を言いたかった。