Purewhite Devil

リリスの気持ちも分かる。


だけどここで黙って指をくわえてるなんて出来ない。



「ヴォラク君、ルシファーを探してきてくれない?」

『ルシファー様を?』

「うん。見つけたら水の神殿に急いで来てほしいって伝えてくれる?」

『分かったっ』



竜に乗って飛び立つヴォラク君の姿を見えなくなるまで見つめた。


お願いね、ヴォラク君。



『貴女はどうなさるのですか?』

「私は水の神殿に向かいます」

『乃愛ちゃんッッ!!!!』




怖い顔をするミカエルさんを見て笑ってしまった。


何も話してないんだから無理ないか。



「核をガブリエルの体に戻す為にーー」

『今、なんてーー』

「だから悪魔たちが水の神殿に攻め込んで来ない様に、私に力を貸して頂けませんか?」



早くしないとーー。


このままだと薫君を助けられなくなる。


リリスがガブリエルの体を見つけるよりも先に核を戻さなきゃ。


ミカエルさんは静かに私の目を見つめている。


私が微笑むと、その顔は悲しげな笑みを見せた。



『非戦闘員は直ちに避難せよ。戦闘員は我ら四大エレメントの指示の元戦闘体制に入れ』



ミカエルさんの重く力強い声が広場に響いた。