同じクラスの人はみんな居なくなり、私は一人寂しくポツンと座っている。


抜き打ちテストで三十点以下は私だけ。


赤点の点数より下の人だけが居残りだ。


数学なんて大っ嫌い。



『おっ!ちゃんと残ってるな。偉い偉い』



数学の先生は教室に入ってくるなりにこやかにそう言った。


バックレたら勉強量を増やされそうだから残っただけだし。



『このプリントの問題が全部解けたら帰っていいぞ。教科書見ながら自力でやれよ』

「こんなに沢山解くの!?無理ぃぃぃ!!」



プリントは一枚だけど、問題がビッシリ敷き詰められて書かれていた。



『やり方覚えれば全部似たようなもんだ。まっ、頑張れよ』



他人事だと思ってぇ――。



『終わったら職員室に持ってこいよ。責任持って待っててやるから』

「はいはい」



こんだけ解かせるんだから待ってるなんて当たり前だっつーの。


先生が教室から出ていき、私は机の上に項垂れた。