Purewhite Devil

広場はたくさんの天使に囲まれ、騒ついていた。


ラファエル様がゆっくりと私たちに近付いてきた。


ウリエルさんも地面に足をつけ、距離を縮めてくる。


どうしようーー。


私の肩に置いた手に力を込めるミカエルさん。



『お前、どうやってタルタロスから戻ってきた』



ウリエルさんの言葉に周りは更にざわつき始める。



『タルタロスってどういう事だよ！？それでノアはあんな傷だらけで倒れてたのか！？』



ラファエル様の言葉に私は頷いて見せた。


あの時の出来事を思い出すと胸が苦しくなる。



『ウリエルから得体の知れない女をタルタロスに連れてったと聞いた時は、心臓が止まる思いだったんだよ？探したけど乃愛ちゃんの姿はなかった。天界にはどうやって？』

「リリスに見つかって殺されそうなところをヴォラク君がーーあんなに傷だらけッッで、なのに私なん、かッッーー」



呼吸が乱れて上手く喋れない。


あの時のヴォラク君の姿が頭から離れない。



『ゆっくりでいいから、ね？』



私は頷いた。



「ヴォラク君を助けたいって、強く願ったら頭の中で声がしたんです」

『声？』

「ガブリエルの声がしたんです」