Purewhite Devil

怒りを露わにしたウリエルさんに見下ろされ、自然と体が強張っていく。


こんな時に見つかるなんてーー。



『どうやってここに戻ってきた』

「ーーーー」

『答えろッッ!!!!』



いっーー。


ウリエルさんの怒声と共に風が吹き、私の腕には刃物で切られた様な傷がついた。


逃げなきゃっ!!



“ここから水の神殿に向かうなら広場を突っ切るのが一番の近道よ”

「分かった」

“ウリエルの動きは私が見てるから、貴女は真っ直ぐ前だけを見て進みなさい”



私は頷き立ち上がると広場まで走った。


今空を飛んでもウリエルさんにすぐ捕まっちゃう。


とりあえず広場まで行って少し距離をあけて飛ぼう。


私はガブリエルの指示に従ってウリエルさんの攻撃を必死に避けながら走った。


騒ぎを聞きつけた天使たちが野次馬の様に集まってきた。



「ノアさんッッ!!!!」



広場に出たところで知っている声に名前を呼ばれた。


視線を向けるとそこには不安そうに目を潤ませたソフィアさんの姿があった。


その隣にはラファエル様の姿も見えた。



『ウリエルッッ!!お前なにしてんだ!!町を破壊する気かッッ!?』

『うっせぇー!!てめぇは黙ってろッッ!!』



ラファエル様の言葉すら怒りに満ちたウリエルさんには届かない。



“ノアッッ!!上ッッ”

「ッッ!?」



慌てて上を向くと、壊れた建物のブロックが落ちてきていた。


足が、動かないーー。