Purewhite Devil

私はソファーから立ち上がり、ジャケットを羽織った。



「どうすれば貴女の体に核を戻せるの?」

“私の体に触れたまま実を飲み込めばいいわ”

「分かった」



自分の足音がやけに大きく聞こえる。


ドアの前に立ち、私は振り返り部屋の中を見渡した。


短い間だったけどここには沢山の思い出が詰まってる。


私は誰も居ない部屋に向かって深く頭を下げた。



「ガブリエル、ごめんね」

“何故謝るの?”

「私のせいで貴女はまたここで生きる事になるからーー」

“謝らなければいけないのは私の方だわ。貴女がこんなに苦しい思いを強いられたのは元を正せば私のせいよ。だから私の事は気にせず、好きな様におやりなさい”

「ありがとう」



私はドアノブに手を掛け静かに外へと足を踏み出した。


もうこの家に戻って来る事はない。


ソフィアさんの恋が上手くいくといいな。



“乃愛!!避けてッ!!”

「えっ!?」



突然の突風に体が浮き、バランスを崩して私は地面に倒れてしまった。


いったぁー。


な、なにこれ!?


すぐ横の地面が丸くえぐれていた。



『なんでてめぇがここに居んだよ』



声のする方に顔を向け私は息を飲んだ。



「ウリエルさんーー』