薫君を助けたい。


だから神様を頼るなんて事私には出来ない。


でも……。



「ガブリエルはここで生きたくないの?」

“ーールシフェルは私の全てなの。彼が居ないこの場所に居ても私の心の穴は広がるばかり”

「そっかーーでも、このままでいいの?」



ガブリエルは何かを考える様に何も答えなかった。


彼女の答えを私は静かに待った。


彼女の透き通る様な綺麗な声が頭の中に響くのを。



“もし、もしも願いが叶うのならーーもう一度彼と話がしたい”

「話?」

“何故私に何も言ってくれなかったの?って、文句が言いたいわ”



あのルシファーが怒られてるところを想像して笑ってしまった。


ガブリエルには頭が上がらないんじゃないの?



「見てみたい、ルシファーが怒られてるところ」

“きっと不貞腐れた顔をするわ、彼”



可笑しくて一人でお腹を抱えてゲラゲラ笑ってしまった。


あのルシファーが不貞腐れるって!!


想像出来ないっ!!


ソファーに倒れ込み、涙目のまま天井を見つめた。


やっぱりガブリエルと話が出来て良かった。



「私がルシファーに会わせてあげる」