伊集院先輩と食堂で会って数日が過ぎた。


その日以来学校でバッタリ会う事はなかった。


女子に囲まれた伊集院先輩を一方的に見掛けるだけ。


だけど、伊集院先輩からメールが送られてきたり、電話がかかってくるようになった。


いつも用事があってというわけではなく、世間話をするだけだ。



「帰んないの?」

「今日居残りだもぉん」

「そっか、この間の数学の抜き打ちテストで十五点だったんだっけ?」

「ちぃがぁうよぉぉぉ!!十六点っっ!!」



優樹菜はブッと吹き出しお腹を抱えて笑い始めた。



「百点満点中、十六点ってウケんだけど!!」

「うっさい!!もう早く帰れっ!!」



優樹菜は目に涙をため、大笑いしながら教室を出て行った。


何て失礼な奴!!


だいたい抜き打ちテストするなんて、先生性格悪すぎでしょ!!


私も帰りたい――。