「あの、呼ばれてますよ」

『また一緒に帰ろうね』

「あ、はい」



私の返事に満足そうな笑顔を見せ、女子の群れへと戻っていった。


顔を前に戻すと、優樹菜と徹先輩がジッと私の方を見ていた。


似た者同士。



「またって何！？いつ伊集院先輩と帰ったの！？しかもメールって何！？」

「はいはい、説明するから」



私は伊集院先輩と初めて会った日の事を話した。


優樹菜はともかく、何で徹先輩と土屋先輩がいる時にこんな話ししなきゃいけないのよ。



『乃愛お前やるなぁ！！』

「何もしてませんから」



やるなぁって何よ――アホかっ！！


私と伊集院先輩はただの友達だし。



『伊集院の本命は乃愛なんじゃねぇの？』

「バカ言わないで下さい。そんなの絶対有り得ません。伊集院先輩はみんなに優しいじゃないですか」



からかうように喋る徹先輩に私は思いっきり否定した。