食卓に次々と食事が並べられた。


ラファエル様の前ではいつだって頬を赤く染めているソフィアさん。


酷いときは首もとまで赤く染まっている。



『美味そうだな』

「お口に合うと嬉しいのですが――」

「ソフィアさんの料理はどれも美味しいんですよっ」

『それは楽しみだな』



私たちの言葉にボッと顔を更に赤くするソフィアさん。


私もそうだったな――。


優樹菜たちの言葉に一々反応して、顔を赤くするたびに笑われた。


食事をしながら楽しそうに話をしているラファエル様とソフィアさん。


私は二人の会話を聞きながら静かに食べていた。


あの日、私はミカエルさんに身がらを引き渡される事を少なからず覚悟した。


ここに居ればいいと言ってくれたラファエル様の言葉を受け入れなかったし、ラファエル様はミカエルさんとは仲がいいみたいだったから。


でも意外にもラファエル様は立ち上がると私の手を引き『帰ろう』と言った。


その時私はこの人はいったい何を言っているんだろうと、心の底から思った。