ニコニコしながら料理をするソフィアさん。


いつもにこやかだけど、今日は一段と楽しそうだ。


その理由は明白だった。


今日のお昼はラファエル様も一緒に食べる事になっているからだ。



「後は私一人でも大丈夫ですので、ノアさんはお茶でも飲みながらごゆっくりなさっていて下さいな」



私の切り終えた不格好な野菜を水でさっと洗い、ソフィアさんは慣れた手付きで調理していく。


私はお言葉に甘えて食卓の椅子に腰をおろし、幸せそうな彼女の背中を眺めた。


体調が優れないと聞いて困惑したソフィアさんはラファエル様に連絡してしまった。


ラファエル様は医学に詳しい方らしく、手当てが必要な程の怪我をしてしまった時は、みんなラファエル様に手当てをお願いするんだとか。


ラファエル様は慌てて駆け付けて来てくれた。


二人で話をしてから初めて顔を合わせた瞬間だった。


気まずいとか緊張するとか気にする余裕もないくらい、意識が朦朧としていた。