女の子たちは皆頬を赤く染め、興奮しながら話をしている。



「さっき皆でミカエル様の所にご挨拶に伺ったのっ!!」

「あまりのお美しさに倒れてしまいそうだったわっ!!」

「まるで夢のような一時だったわっ!!」



ミカエルさんと会った時の想いを次々と口にしている。


そんな彼女たちに、私はソフィアさんみたいに笑顔で対応する余裕がなかった。


このままだと私がここに居るってばれちゃう――。


でも何処に身を隠せばいい?


何処なら見付からない?



『こんな所にいたのか!!』

「まぁっ!!ラファエル様っ!!」



ソフィアさんも彼女たちも慌ててラファエル様にお辞儀をしている。


私は突っ立ったまま動く事が出来なかった。



『ちょいとノアを借りてもいいか?』



最悪だ――。


ラファエル様はミカエルさんから何かしら話を聞いているのかもしれない。



「ノアさん?」



ミカエルさんの所に連れていかれるかもしれない。



『なぁに、そんなに緊張しなさんな。ちょいと話がしたいだけだ』



この場から逃げられる訳もなく、私はぎこちなく小さく頷いた。