空を飛んでいると空高々と伸びている渦の様なものが見えた。


泉に行く時はついていくのに必死で全然気が付かなかった。


って、あれって竜巻じゃないのッッ!?



「ソフィアさんッッ!!」



大声でソフィアさんの背中に声を掛けた。


振り向いたソフィアさんは相変わらずのんびりした顔をしていた。



「あの竜巻大丈夫なんですか!?避難とかッッ――」

「うふふっ、あの竜巻は大丈夫ですわ」

「――へ?」



私の慌てようとはうって変わって、ソフィアさんは冷静に上品な笑みを溢していた。



「あの大きな竜巻の中には、ラファエル様が守護されている風の神殿がございますの」

「風の神殿?」

「そう言えば結局まだお話出来ておりませんでしたわね、ごめんなさい。ラファエル様は偉大なる四大エレメントのお一人で、風を司るお方ですの」



あの気さくで優しいラファエル様がガブリエルと同じ四大エレメントの内の一人だったなんて――。


背中を変な汗が伝うのが分かった。


ラファエル様の前ではもっと慎重に行動しないと駄目だ。