腕に通したブレスレット。


つけた頃はほぼ赤だったのに、今では赤と青半々になっていた。


ガブリエルの核は着実に私の魂を覆い始めている。


ここに来てからもどのくらいの時間が経ったかも分からない。


毎日不安が少しずつ大きくなっていく。



「それでは参りましょうか」

「はい」



相変わらずソフィアさんのところでお世話になっている。


怪我もラファエル様のお陰で直ぐに良くなった。


ソフィアさんについて外を歩くとたくさんの天使が笑顔で挨拶してくれる。


ここがウリエルさんの言っていた天使の町だと知った時は、驚き過ぎて言葉が出てこなかった。



「着きましたわよ」

「凄い――」



ソフィアさんが連れてきてくれた町からそう遠くない場所には、円形の大きな泉が広がっていた。



「この泉は運命の泉と呼ばれてますの」

「運命の泉?」

「ここから下界を見渡し、糸を見定めるのです」

「糸?」



ソフィアさんの言っている意味が今一理解出来なかった。