驚き過ぎて言葉が上手く出てこない私の今の顔は酷く間抜けかもしれない。



「うふふっ」



女性は可笑しそうにまるで鳥が鳴いている様な可愛らしい笑みを溢した。



「ごめんなさい、あまりにもキョトンとされておりましたので、つい――」



頬を赤く染め、恥ずかしそうな顔をする女性を見て少しだけ心が和んだ。


こんなに優しい雰囲気に包まれたのはいつぶりだろう。



「お食事は食べられそうですか?」

「――はい」

「それは良かったですわ。ちょうど出来上がったところですの」



そう言うと女性は背中についた羽を揺らしながら部屋を出ていってしまった。


白い翼――。


もしかしたらここは天界なのかもしれない――そんな期待が心に芽生えた。


でも私が今天界にいるとしたらヴォラク君は何処にいるの?


まさかリリスと一緒に地獄にいるなんて事ないよね?


考えれば考える程不安は増えていった。


ガブリエルの核を分離させればルシファーに会える。


あの人に会えればヴォラク君の事も聞けるよね。


急がないと――。