「止めてッッッッ!!!!」



ゆっくりと瞼を開けた先には、ヴォラク君の首を掴み上げているリリスの姿があった。


痛々しい姿のヴォラク君が苦しそうに顔を歪めている。


ヴォラク君と目が合い、胸が苦しくなった。


お願いだから止めて――。



「ヴォラク君ッッ――」



ヴォラク君がフワッと微笑んだ。


視界がぼやけていく。



「どいつもこいつも本当に目障りだわ」



何の感情も含まない平坦なリリスの声。


駄目――ッッ!!


身体中ガタがきてるみたいに感覚を失い始めてる。


だけど気付けば私の足はしっかりと床について立っていた。



「ッッ!?あぁぁぁぁぁッッ!!」

『乃愛ッッ!?早く僕から離れてッッ早くッッ!!』



立ち上がった足は駆け出し、リリスから奪うようにヴォラク君を抱きしめた。


だけどヴォラク君を抱きしめた瞬間、電気の様なビリビリとした強い衝撃が全身を駆け巡った。


それでも私はヴォラク君を離したくなかった。