自分の意思とは関係なく壁に押し付けられるように立っている。


ひんやりとする背中。


興奮して体温が上がっていた私には凄く気持ちのいい冷たさだった。


そのお陰か、次第に熱くなった頭からスーッと熱が引いていく様だった。



「須藤さんの事を利用して弄んで楽しかった!?酷い奴ッッ!!貴女みたいなのを本当の悪魔って言うんでしょうねッッ!!」



どれだけ強い口調で訴えようと、目からはボロボロと涙が零れ落ちていた。


怖くて泣いてるのか震えているのか、はたまた感情が高ぶり過ぎてそうなっているのかは自分でもよく分からなかった。



「言いたい事はそれだけかしら?何の面白味もないありきたりな言葉ね。がっかりだわ」

「ッッ!?」



心からそう思っていると見せるかの様に、わざとらしく落胆した顔をするリリス。



「ルシファーよりも最低な悪魔だね」



胸元を掴んでいるリリスの手に力が入り、そのままどんどん胸が圧迫されていく。


苦、しい――ッッ。