私はハッとなり顔を上げた。



「ヴォラク君は!?ヴォラク君は無事なのッッ!?」



竜は静かに首を後ろに向け、私を横目で見下ろした。


後ろ?


私は慌てて竜の大きな体の後ろに回った。



「ヴォラク、君――」



ベッドに横になっている彼もまた傷だらけだった。


幼い顔や腕、小さな手には包帯がグルグルと巻かれていた。


包帯には文字の様なものが書いてあるが、何て書かれているのかは全く分からない。



「いッッ――!?」



もっとヴォラク君の傍に寄ろうとベッドに近付くと、ビリッと静電気の様な痛みが走った。


試しに今度は手を伸ばしてみた。



「ッッ!?」



それでもやっぱり結果は同じだった。


私は立っていられずその場に座り込み痛々しいヴォラク君の寝顔を見詰めた。


悪魔なのに天使の様に愛らしいヴォラク君。


その彼の姿がどんどん歪んでいく。