尻餅をついたまま体が上手く動かない。


どどどッッどうしようッッ!!


に、逃げッッ逃げなきゃッッ!!


どう見たって話の通じる相手じゃないよ――ッッ。


私よりも遥かに大きくてゴツゴツしていて強そうな恐竜が迫ってきていた。


部屋で恐竜飼うなんて一体どんな神経してんの!?


部屋広すぎっ!!


ん?


あれ?


恐竜は突然動きを止め、ジッと私を見始めた。


そっか――あんなに大きかったらこの扉からは出てこられないよね。


そう思った私はホッと胸を撫で下ろした。


安心したからか、強張っていた体から力が抜けていく。


急いで立ち上がり扉を閉めようとした時、あることに気が付いた。



「翼に首が二つ――――」



私と目が合った子に寄っ掛かる様に頭を倒している子がいた。


その姿は痛々しく、よく見ると全身傷だらけだった。



「ヴォラク君と一緒にいた竜だ――。そうだよねッッ!?」



竜に言葉が通じるのかは分からない。


だけど、そう問い掛けずにはいられなかった。