息を切らして辿り着いた場所は確かに霧がかっていない場所だった。


地面もさっきまでの凸凹ではなく、土が敷き詰められた地面は滑らかで歩きやすそうだ。


だけど一言で言うならば、此処も不気味だった。


草木の生えているこの場所は自然の中だと言えるのかもしれない。


たとえ全てが茶色く枯れ果てていても――。


辺りを見渡すと、所々に家の様なものが建っている。


大きさは様々で、家と呼ぶには小さすぎるものもある。


道になっている場所を目で追っていくと、目を疑う程大きな家が建っていた。


家って言うよりお屋敷?


こんなに離れてるのにあんなに大きいなんて――。


目の前で見たら腰を抜かす程の大きさかもしれない。


もしかしたらあそこにルシファーがいるかもしれない。


偉い悪魔みたいだし、ああいうお屋敷に住んでても不思議じゃないよね。


ルシファーがいなくてもいい。


天界に行く方法さえ見付けられればそれでいい。