「あッッ――」



足場の悪い地面に躓き、どんくさい私は両膝両手をついて思いっきり転んでしまった。



「いッッたぁー――」



手は軽いかすり傷程度で血は出ていない。


だけど足は強くぶつけてしまったらしく、血が出ていた。


痛いしジンジンする。


血を拭うハンカチやティッシュすら今の私は持っていない。


情けないにも程がある――。


痛い足で頑張って立ち上がると、遠くに小さな光が見えた様な気がした。


出口?


そうだよ――きっとそうだよッッ!!


出口だと信じなければ、希望を持たなければ此処で挫けてしまいそうだった。


私は懲りずに再び走り始めた。


動かす度に痛む左右の膝。


早くあそこへ辿り着きたい。


私には――私たちには限られた時間しかない。


一分一秒も無駄にはできないんだからッッ!!