Purewhite Devil

暫くすると、空中に浮いている大きな門が見えてきた。


赤茶色の門は凄くシンプルで模様一つない。


だけど近くに寄れば寄る程門の迫力を感じた。



『アホ面してねぇで早く入るぞ』



口をポカーンと開けて門を見上げていると、失礼な言葉を浴びせられた。



「入るって――この門の中にですか?」

『この門を潜れば水の神殿に辿り着く』



こんなに大きくて重そうな門をどうやって開けるの?


失礼だけどウリエルさんに開けられるとは思えない。


スラッと伸びた手足は洋服の上からでも分かるくらい細身だ。


ウリエルさんは片手で門に触れると、撫で下ろす様に優しく門を押した。



「えっ――う、そ――開いた――――」



試しに開いていない方の扉を両手で力一杯押してみたがびくともしなかった。


信じられない。


こんなに重い門を軽々と開けたっていうの?


無事にこの場所を見付けられたとしても、一人だったら水の神殿に辿り着く事は出来なかっただろう。


ウリエルさんが話し掛けてくれて本当に良かった。