Purewhite Devil

ウリエルさんは腰に手を当て面倒臭そうに欠伸をしている。


そんなに偉い人なの?


今の姿を見る限りそうは思えない。



『何だよ』



チラチラ見ていると今度はウリエルさんと目が合ってしまった。



「そんなに偉い人とは知らずにごめんなさい。後は一人で大丈夫なので方角だけ教えてもらえませんか?」

『何言ってんだよ。ここまで案内してやったんだ、最後まで案内させろ』

「でも――」



チラッと天使の顔を見ると、鬼の様な形相で私を見ていた。


恐ろしい――。


天使の中身は実は鬼なんじゃないだろうか。



『こいつの言う事は気にすんな』

『ウリエル様!!』

『ギャーギャーうっせぇんだよ。こいつを水の神殿まで送り届けたら直ぐ戻る』

『水の神殿?でもこっ――』

『お前は先に戻ってろ』



今何か言い掛けてなかった?


天使は急に静かになり、態度を改めた。



『承知致しました。ではお気を付けて行ってらっしゃいませ』



そう言って一礼すると、天使は何処かへ飛んで行ってしまった。



『俺たちも行くぞ』

「あっ、はい」



不思議に思いながらも私はまたウリエルさんの後ろについていった。