Purewhite Devil

ゴーグルを手に困惑していると、面倒臭そうなため息が聞こえた。


それでもルシファーのため息に比べればまだ許せる範囲だ。



『案内してやるよ』

「えっ!?いいんですか!?」

『俺の気分が変わる前にさっさとゴーグルつけな』

「は、はいっ!!」



まさか案内してくれるなんて思ってもみなかった。


悪いことの後には良いことがあるって本当かもっ。


私はゴーグルを装着すると、急いで羽を動かした。


だけど――。



『何やってんの?』

「飛ぼうかと思いまして――」

『だったら早くしてくんない?』



私もそうしたいのは山々なんだけど、全く体が浮かないんだよね――。


羽を動かせば飛べるって訳じゃないの!?


さっきはラグエルさんが手を引いてくれたからすんなり飛び立てたのかも――。



『俺の事おちょくってんの?』



青筋立ててまで不機嫌全開にする事ないじゃんッッ!!


私だって一生懸命やってんだからっ!!