Purewhite Devil

『見掛けない顔だな』



子供と大人の中間の様な男性の声が聞こえた。


キョロキョロと首を動かしてみるが誰も居ない。


――幻聴?



『何処見てんだよ、上だよ上』



上?


空を見上げる様に首を傾けると、腰に手を当て仁王立ちしている男性が浮いていた。


砂嵐対策バッチリで、目にはゴーグルの様な物を着用している。



『こんな処で何をしている』



私が教えて欲しいくらいだよ。


私は水の神殿に様があるだけで、こんな処に様なんて一つもない。



「只の迷子です――」

『迷子?天使の町から来たんじゃないのか?』

「天使の町?」



何かヤバイ雰囲気――。


ゴーグルをつけてるからあまり表情は分からないが、眉間に皺が寄っているところを見ると、怪訝に思われてるのかもしれない。


でもとにかく水の神殿の場所を聞かないと――。


この機会を逃したら次いつ誰と会えるか分からない。