Purewhite Devil

歩けど歩けど渇いた地面が続いている。


砂嵐も止む気配が全くない。


おまけに周りを見渡すが視界が悪くて遠くが見えない。


しかも歩いているのはいいが、自分が何処に向かっているのかも分からない。


この誰から見ても最悪な状況に思わず大きなため息が漏れる。



「町があるとか言ってたよね?取り敢えず何処でもいいから辿り着きたい――」



喋る相手もいないのに、何かしら喋ってる。


寂しい独り言。


空を自由に飛べれば何とかなるかもしれないが、只でさえ一人でまともに飛べないのに、こんな悪天候の中飛べる訳がない。


なんでこんな場所に来ちゃったんだろう。


水の神殿に近い場所だったのかな?


考えたって分かるはずないよね。


だってここは天使の住む世界で、私は人間なんだから――。


まるで絵本の中に飛び込んだ様な気分だけど、これは紛れもない現実。


絵本やお伽話で旅をする勇者の気持ちが今漸く分かった気がする。


私は勇者でも何でもなく、只の女子高生だけどね。