今までと何ら変わりのない体。


胸元に手を当ててみても、確かな鼓動を感じる。


魂の具現化って、見た目だけじゃなくて体の中も同じように具現化してるのかな。



『どちらでも構いませんから腕を出して下さい』



言われるがまま私は左腕を伸ばした。


すると大きな楕円形の石がついたブレスレットを腕に付けられた。


石は無色透明で透き通っていた。



『では右手を貸して下さい』



右手を差し出すと、ラグエルさんに手首を掴まれた。


な、何ッッ!?



『少し痛みますよ』

「いッッ!?」



ラグエルさんが人差し指をなぞると刃物で切られた様な傷がつき、血が滲み溢れてきた。


その血を一滴石の上に落とすと直ぐに傷口を塞いでくれた。


天使って凄い――。


石は鮮明な赤に色を染め始めた。


だけど赤の中にうっすらと違う色も混ざっているように見えた。



『赤の中に少し青が混ざっているのが分かりますか?』

「はい」



この違う色は青だったんだ。


薄すぎてよく分かんなかった。



『赤は貴女の色です。そして青はガブリエルの色です』