Purewhite Devil

彼はフッと笑みを溢し、ベンチの背もたれに背中を預け切ない顔で空を見上げた。


思わず抱きしめたくなる程、その姿は弱々しく見えた。



『誰から聞いたんだい?』

「――ルシファーから聞きました」

『そう――てっきりガブリエルから聞いたのかと思ったよ』



ガブリエルの名前を出した時のミカエルさんの顔は柔らかかった。


ルシファーの言う通り、ミカエルさんはガブリエルの事を愛してるんだ――。



『まさか兄と接触していただなんて――気が付かなかったよ』

「兄――?」

『ルシファーは僕の双子の兄だよ』



お兄さん!?


ミカエルさんは天使なのにお兄さんであるルシファーは悪魔なの?


兄弟なのに?



『ラグエルからは何も報告はなかったんだけどね――』



胸がチクリと痛んだ。


言える訳がない。


ラグエルさんがルシファーと手を組んだだなんて――。