歩いていた道をそう時間が経たない内に引き返した。


いつもよりもゆっくりと歩いて。


優樹菜の奴、徹先輩と仲直りしてればいいな。


あの二人は見てるだけで元気になる。


それに凄く微笑ましい。


カフェに戻ると頬を緩ませた優樹菜が見えた。



「良かったね、仲直りできて」

「乃愛っ!!急にいなくなるからビックリしたじゃんっ」

「お邪魔かなぁーっと思って」

「邪魔なわけないじゃん!!でも気ぃ使ってくれてありがとっ。乃愛のお陰で無事仲直りできましたぁっ!!」



今まで半泣き状態だったのに、今はさっきの事が嘘の様に満面の笑みを浮かべている優樹菜。


その顔を見れて安心した。



「それでさ、ちょっと言いにくいんだけど――」

「いいよ」

「えっ?」

「徹先輩に会いに行くんでしょ?行ってきなよ」

「ありがとうっ」



優樹菜は急いで化粧を直し始め、私はコーヒーを飲みながらその様子を眺めていた。


本当恋って凄い。