玉を飲み込んだ口元は笑みを浮かべ、ルシファーは嘲笑うかのような目で私を見下ろした。



『闇を抱えた人間の魂は格別だな』



それって――ッッ。


縛られた様に動かなかった身体が軽くなり、私の手は空気を切る様に空中を舞った。


掌は痛みと痺れを伴い、微かに震えている。


ルシファーの瞳は怒りの色を帯び、口を開いた。


だけど先に言葉を発したのは私の方だった。



「いい加減になさいッッ!!」



え――?


自分の言葉に自分で驚いてしまった。


ルシファーたちも驚きの目で私を見ていた。


もしかして今の――。



「ガブリエル――?」



力を失い掛けている彼女はそれ以上私の身体を使う気配はなかった。


それでもあの透き通るような声ですすり泣く彼女の震える声が頭の中に響いている。


連動するかの様に私の目からも涙が零れ落ちていく。