混乱している中、窓をすり抜けまた知らない人が部屋の中に現れた。
その人の背中には真っ白な翼が二枚生えていた。
天使――。
こうしてちゃんと天使を見るのは初めてだ。
眼鏡を掛け、黒髪を一つに結んでいて知的な雰囲気を持っている。
天使でも眼鏡ってかけるんだ――なんて能天気な考えが浮かび私は頭をふった。
『まさか契約を結ぶまで気付かないとは、少々驚いてしまいました』
この声――。
突如現れた彼はルシファーの睨みに臆する事なく、涼しい顔のまま壁にもたれ掛かり腕を組んだ。
『何をそんなに焦っておいでなのですか?』
『――――』
口を開かないルシファーの事などお構いなしに、天使は喋るのを止めなかった。
『貴方ともあろうお方がとんだ失態ですね』
『口を慎みなさい』
怒りを抑える事なく、今にも天使に食って掛かりそうなアスモデウスさんを見て少し驚いた。
やっぱりアスモデウスさんも悪魔なんだ。
そんな事は彼の容姿を見た時に分かっていたはずなのに、彼の怒りの形相を見て今更ながら悪魔なんだと実感してしまった。
その人の背中には真っ白な翼が二枚生えていた。
天使――。
こうしてちゃんと天使を見るのは初めてだ。
眼鏡を掛け、黒髪を一つに結んでいて知的な雰囲気を持っている。
天使でも眼鏡ってかけるんだ――なんて能天気な考えが浮かび私は頭をふった。
『まさか契約を結ぶまで気付かないとは、少々驚いてしまいました』
この声――。
突如現れた彼はルシファーの睨みに臆する事なく、涼しい顔のまま壁にもたれ掛かり腕を組んだ。
『何をそんなに焦っておいでなのですか?』
『――――』
口を開かないルシファーの事などお構いなしに、天使は喋るのを止めなかった。
『貴方ともあろうお方がとんだ失態ですね』
『口を慎みなさい』
怒りを抑える事なく、今にも天使に食って掛かりそうなアスモデウスさんを見て少し驚いた。
やっぱりアスモデウスさんも悪魔なんだ。
そんな事は彼の容姿を見た時に分かっていたはずなのに、彼の怒りの形相を見て今更ながら悪魔なんだと実感してしまった。


