カツサンドの為にサボるって言ったら優樹菜にどつかれそうだけど。


お弁当箱を広げていると、いきなりカツサンドを差し出された。


意味が分からず首を傾げた。



『やるよ』

「えっ!?いいの!?」

『あぁ、別にそこまでこれ食いてぇ訳じゃねぇし』

「ありがとぉぉぉっ!!」



私はカツサンドを受け取り、嬉しさのあまりカツサンドを抱きしめた。


泉堂君からはどうせもう変な女だと思われてるだろうから、いいんだ別に。


今更女の子ぶらなくても。


でも――あれ?



「これもらっちゃったら泉堂君のお昼が無くなっちゃうじゃん」

『もう一つ買ってある』



泉堂君の右手にはメロンパンが握られていた。


年頃の男子がそれだけでお腹が満たされるわけないじゃん!!



「良かったらお昼ご飯交換しない?」



笑ってそう言うと、泉堂君はそっとメロンパンを私の前に置いた。



「ありがとっ」

『別に』

「いただきまぁす」



私は緩んだ顔のままカツサンドにかぶりついた。