アスモデウスさんに体を支えられながら床に足をつけた。
私は立っているのがやっとだった。
体を震わせている私を見て、彼は見下すように口角を上げた。
雲に隠れていた月が顔を出し、彼の姿が少しはっきりと見えた。
腰まで伸びた艶のある黒髪。
冷酷なダークブルーの瞳。
鋭く尖った爪。
そして自ら悪魔だと主張するかの様に頭に生えた禍々しい形の二本の角に、背中に生えた大きな六枚の漆黒の翼。
『哀れな人間よ――お前が望むのなら、お前が欲するものを恵んでやろう』
どういう意味?
彼の鋭く涼しげな目が横にそれ、私はその先を目で追った。
ベッドの上に人が横たわっている。
――――嘘――ッッ。
「かお、る――くん――?」
“泉堂 薫は近い未来、死を迎える――”
いつかの彼女の言葉が脳裏を過った。
目の前の彼への恐怖が一瞬のうちに吹き飛び、私は慌てて薫君に駆け寄った。
薫君の体に触れると、直ぐに温もりを感じ私は安堵のため息を漏らした。
良かった――。
私は立っているのがやっとだった。
体を震わせている私を見て、彼は見下すように口角を上げた。
雲に隠れていた月が顔を出し、彼の姿が少しはっきりと見えた。
腰まで伸びた艶のある黒髪。
冷酷なダークブルーの瞳。
鋭く尖った爪。
そして自ら悪魔だと主張するかの様に頭に生えた禍々しい形の二本の角に、背中に生えた大きな六枚の漆黒の翼。
『哀れな人間よ――お前が望むのなら、お前が欲するものを恵んでやろう』
どういう意味?
彼の鋭く涼しげな目が横にそれ、私はその先を目で追った。
ベッドの上に人が横たわっている。
――――嘘――ッッ。
「かお、る――くん――?」
“泉堂 薫は近い未来、死を迎える――”
いつかの彼女の言葉が脳裏を過った。
目の前の彼への恐怖が一瞬のうちに吹き飛び、私は慌てて薫君に駆け寄った。
薫君の体に触れると、直ぐに温もりを感じ私は安堵のため息を漏らした。
良かった――。


