アスモデウスさんはゆっくりと下降し始めた。


向かう先に見える少し大きな一軒家。


広くて立派なお庭がついている。


だけどお花などの植物は見当たらなくて、綺麗に整えられた芝生が広がっているだけだった。


なんだか寂しいお庭――。


ボーッとお庭を眺めていると、段々と壁が迫ってきていて私は目を見開いた。



「あっあのッッ!!ぶつかっちゃいますよッッ!?」

『心配はいらない』



心配いらない!?


そんな訳ないでしょッッ!!


飛び降りるにはまだ距離がある。


でもこのままだと壁にぶつかってしまう。


あれこれ考えているうちに壁が目前に迫り、私は目をギュッと瞑りアスモデウスさんにしがみついた。