Purewhite Devil

何処に目を向けていいのか分からなくて、キョロキョロと周りを見渡していると、場を和ませるような柔らかな笑い声が聞こえた。


菜々子さんが口元を手で隠し可笑しそうに笑っていた。



「薫からは何も聞かされずに連れて来られたのね」

「は、はい――」



私の戸惑いを他所に、薫君はマイペースにお茶を飲んでいる。


うん――薫君ってそういう人だよね。



「いつも息子がお世話になってます。不器用な子だけど、これからも傍にいてあげてくれる?」

「えっ――?」



今何てッッ!?



「むっ息子!?って事は薫君のお、おっ、お母さんですか!?」

「あら、本当に全く何も聞いてなかったのね。薫ったら、困った子だこと」



おっとりしてて上品なお母さんだな。


私のお母さんとは大違い――。