お弁当箱を鞄に入れ立ち上がった時にある事に気が付いた。
今まで緊張し過ぎてて気が付かなかったけど、泉堂君は楽譜を見ていなかった。
楽譜を見てもクラシックって弾くの難しいんじゃないの?
ピアノなんて弾いた事ないけど、指の動きを見ていればどれだけ複雑な曲なのかはよく分かる。
「まさか覚えてるの?」
『――――』
泉堂君は目線だけを向け何も答えない。
「楽譜見なくても弾けるなんて凄いっ!!よっぽどピアノが好きなんだねっ」
『――あぁ』
私がどれだけ笑顔で話しかけようと、泉堂君は少しも表情を変えなかった。
いきなりニコニコされてもある意味怖いけどね。
後十五分くらい昼休みは残っていたけど、私は教室に戻る事にした。
やっぱあんまり長居しても悪いよね。
「あ、のさ――たまにここでお昼ご飯食べてもいいかな?」
自分でも何でこんな事を言ってしまったのか謎だった。
『ご自由に』
「ありがとうっ!!」
だけど、泉堂君のこの無愛想な言葉を嬉しいと感じたのは確かだ。
私は第二音楽室を出て、よく分からない熱を胸に宿したまま教室へ向かって足を進めた。
今まで緊張し過ぎてて気が付かなかったけど、泉堂君は楽譜を見ていなかった。
楽譜を見てもクラシックって弾くの難しいんじゃないの?
ピアノなんて弾いた事ないけど、指の動きを見ていればどれだけ複雑な曲なのかはよく分かる。
「まさか覚えてるの?」
『――――』
泉堂君は目線だけを向け何も答えない。
「楽譜見なくても弾けるなんて凄いっ!!よっぽどピアノが好きなんだねっ」
『――あぁ』
私がどれだけ笑顔で話しかけようと、泉堂君は少しも表情を変えなかった。
いきなりニコニコされてもある意味怖いけどね。
後十五分くらい昼休みは残っていたけど、私は教室に戻る事にした。
やっぱあんまり長居しても悪いよね。
「あ、のさ――たまにここでお昼ご飯食べてもいいかな?」
自分でも何でこんな事を言ってしまったのか謎だった。
『ご自由に』
「ありがとうっ!!」
だけど、泉堂君のこの無愛想な言葉を嬉しいと感じたのは確かだ。
私は第二音楽室を出て、よく分からない熱を胸に宿したまま教室へ向かって足を進めた。


