Purewhite Devil

寝息たてながら寝てる。


子供みたいだ。


全てが羨ましい程整っている。


初めて思った。


男の人の唇を見てキス、したいって――。


貴方は私の心を良くも悪くもかき乱す。


それでも私は貴方が大好き。


バスのアナウンスが流れ、薫君の目がパチッと開いた。


私は慌てて顔を反らした。


ビ、ビックリっしたぁーッッ。


急に開くんだもんっ。


またしても突然手を握られ、心臓が飛び跳ねた。



「あの、手――」

『嫌?』



私は思いっきり首を横にふった。


嫌な筈がないっ!!


でも、薫君がどういうつもりでこんな事をしているのか全く分からなかった。



『降りるぞ』

「あっ、うん」



バスを降りた先には大きな総合病院が建っていた。


何で病院?


まだ説明してくれるつもりはないらしく、颯爽と足を進める薫君。


そんな彼の手をギュッと握り、私は静かに彼の隣を歩いていた。