Purewhite Devil

望先輩はベッドに腰掛けると、写真を懐かしそうに眺めた。


私だけ立っているのも変な感じがして、隣に腰を下ろした。



『小学校五年生くらいの時に撮った写真だよ』

「ご家族仲がいいんですね」

『そうだね。忙しい両親に代わって、いつも姉が傍に居てくれたんだ』

「それならお姉さんがお家を出られた時は凄く寂しかったですよね」



望先輩は写真から目を離すと、私の方へ顔を向け微笑んだ。



『そうだね。寂しかったけど今は乃愛ちゃんが傍に居てくれるから、凄く幸せだよ』

「望先輩――」



手の甲でスッと私の頬を撫で下ろし、その手はそのまま私の顎を上に持ち上げた。


触れた唇は深く濃厚なものへと変わっていく。


背中に柔らかい感触がして、直ぐ目の前には望先輩の顔。


天井に取り付けられたきらびやかなシャンデリアを見ていると、これは夢なんじゃないかと思ってしまいそうになる。