もっと早く逢えていれば良かった

すぐ近くにある屋上の階段を駆け上がる。
もちろん、息を切らしながら。

そして扉をバンッと開けて入る。



「……もう、嫌だよ……」



今にでも壊れそうなフェンスに体を預ける。

誰もあたしの事なんて信じてくれない。
そんなの分かっていたのに、何で昴を信じようとしてたんだろう。



「何やってんだろ……」




心臓じゃない、何処か違うところが痛む。





心、かな。





「昴、あたしちゃんと愛してたよ?」



自然に涙が零れてくる。




「でも、一緒にはいられないよ」




涙はどんどん流れてくる。