もっと早く逢えていれば良かった

店から出たら、さっきの彼が待っていてくれた。


「危なっかしくてほっとけないから待ってた」


そう言ってにっこり笑う。



「待ってる間にタクシー呼んだから、乗って?」


時計を見ると、もう10時だった。
このまま歩いていたら昼までに間に合わない。

知らない人に迷惑かけたくないけど、仕方なく乗せてもらう。
本当は知らない人に付いて行くのは危ないけど。


「……よろしくお願いします……」


「そんなに硬くならなくても良いよ?」


「あ、えっと、その、なんていうか……すいません……」



何故かこの人なら大丈夫だと思った。


でも、人見知りは直らない。