次の日の放課後、私は友達とCDショップにいた。

昨日の彼との約束を忘れたわけではなかった。

むしろ、約束を破ったことに対して申し訳なく思っているくらい・・・

しかも私は、彼のことを何一つ思い出さない。

昨日、彼と別れてからずっと、彼のことを思い出そうとした。

でも無理だった。

昔の自分が嫌で、卒業アルバムも捨ててしまっていた。

それに、私の覚えていないことを知っている彼が怖くもあった。

「福崎さん、うちらといるの、つまんない?」

落ち込んでいる私に本条さんが声を掛けてくれた。