駅に入ると、おばあさんが大きな荷物を抱えて困っていた。

「おばあちゃん、大丈夫ですか?」

私は早速声をかけた。

「おばあちゃん、荷物、持とうか?」

すると、後ろから男の声。

私が振り返ると、そこには進学校で有名な男子校の制服を着た生徒が立っていた。

「ああ、ありがとうね。」

おばあちゃんは嬉しそうにほほ笑んだ。

「あのね、行きたいところがあるんだけどね~。」

おばあちゃんの行き先は、私と同じ路線の二駅目。

私は一緒に電車で行ってあげることにした。