俺様の賞味期限

電車が駅に着くと

「ねえ、今からちょっと付き合ってくれる?」

彼に言われて、私はかなり嫌そうな顔をしたらしい。

「僕、真実子が来るの、ずっと待ってたんだよ。」

「な、なに?」

私の名前、呼び捨て?

でも、待たせたのは確かに私が悪い。

だからって・・・と、思ったけど言えなかった。

私は彼に連れられて、駅から続く防波堤沿いの道を歩いていた。

やがて、海が見える公園に着いた。

「きれいでしょ?」

彼は空いているベンチを見つけて腰を降ろした。

周りのベンチはカップルだらけ。

うわ~、私達も恋人同士に見えるのかな~、やだな~。

でも、彼は全然気にしてないみたい。