俺様の賞味期限

みんなと別れて駅に着いた私は、そこで会うはずのない人と出会ってしまった。

「藤田君・・・。」

私は泣きそうになった。

「ごめんなさい、ごめんなさい、私・・・。」

だって、二時間だよ。

まさか、待ってた?

「遅過ぎ。」

彼は読んでいた参考書を鞄にしまい込むと立ち上がった。

「じゃ、帰ろうか?」

彼は何もなかったように言うと、私の横に立って歩きだした。

「なんで遅かったの?なんかあったの?」

電車に乗った彼は、怒ることもなく優しく聞いてきた。

私は、友達と遊んだことを正直に打ち明けた。

「どうしても断れなくて・・・」

嘘をついてしまった。