柳原優愛はあいつの好きな奴。

 
 俺は女になんて
 一切興味がなかった。


 あいつに出会う前までは。



 柳原と出会ったのは
 光汰が熱がでてる奴が
 いるからと無理やり俺を連れて行った。

 付き添いなら構わないと
 思ったんだ。


 別に俺に関係ないと思ったからだ。


「お邪魔しまーす。」


 光汰と一緒に家の中へ入る。
 頭を下げて、相手側のお母さんに
 挨拶をする俺。


「優愛の友達?わざわざお見舞いありがとね。ささっ!上がってって」


 光汰がさっさと階段を登って
 置いてかれた俺を見て
 相手側のお母さんは言ってきた。

 一礼し、階段を登って
 突き当たりの部屋に入ると
 光汰と寝ている女がいた。

 光汰の優しい表情。
 あいつの好きな奴か。

 すると、下から光汰を呼ぶ声。


「…優愛を頼む!」


 そう言われて取り残される俺。

 気まずい。


 まぁいいか。


 これがあいつと俺の出逢いだった。