俺が優愛を好きだと
 気付いたのは俺が小学6年生の時だった。


 学校の帰り道、
 ふと優愛を見たときだった。

 風が吹いて髪がなびく優愛を
 見て一瞬胸が高まった。

 ふざけて優愛の頭を叩いた時に
 その姿を見て不意打ちをくらった。


 俺が単純なのか。
 それとも…急に美人になった
 優愛の魅力なのか。


 そんなことより確かなのは、
 俺は優愛を好きだってこと。



 俺は優愛と両想いなんじゃないか
 って思ってた。



 だけど、まさか
 あいつに先を越されるなんて。



 中川海斗。俺の中学で初めて
 友達になった大切な親友。


 あの時2人を会わせなかったら…。




「はーい!今すぐ行きますんで。海斗、優愛を頼んだ!」



 本当はあいつと2人きりに
 させるつもりなんてなかった。

 むしろ、俺が一緒にいたかった。


 海斗はモテるから、心配だったんだ。

 優愛が好きになるのも
 時間の問題なんだって…。



 しばらくして部屋に
 戻った時、優愛は寝てて
 その横で本を読む海斗がいた。


「おい、海…」 



 優愛の寝顔を見て優しく笑う海斗。

 初めて見る親友の顔に
 戸惑いを感じた。



 まさか、あいつ…。