優愛に一緒に帰ろうって
 言われてすんげぇ嬉しかった!
 まじ幸せだと感じた。
 昼休みに海斗が優愛の腕を掴んだとき、
 怒りより悲しみが込み上げてきた。
 海斗も優愛を好きなんだって気付いたから。

 アイツは絶対俺のために
 身を引くんじゃないかって思ってる。だから、
 余計優愛を渡したくなかった。
 そんな臆病に優愛を渡せるもんか!

 だからアイツより先に優愛に告白した。
 震える声で告白して、
 優愛がいいよって言ってくれて
 嬉しかった。だけど、なんでか胸が傷んだ。
 優愛は俺のこと好きじゃない。
 なのに、俺と付き合うなんて
 優愛は責任でこんなことしてんのかな。
 そう思ってるのに
 優愛と離れたくないと思う汚い自分がいる。

 俺は最低な人間かもしれない。
 ごめん、優愛…。ごめんな、海斗。


「とるなよ?」


 汚い自分が海斗を傷つけた。なのに、あいつは。


「おめでとう。」


 笑って祝うなんて思ってなかった。
 海斗、お前は!
 優愛を好きなんじゃねぇのかよ!?
 優愛の顔を見ると悲しそうに
 海斗の背中を見つめていた。 
 海斗に渡したくない。
 でも海斗は優愛から身を引く。
 俺は…俺は…。