こうちゃんと中川先輩のコンビネーションは
 その後も大シュートを決めていたが、
 前半は、新城高校と3点差で負けている。


 後半で挽回しなければ、
 こうちゃん達は負けてしまう。
 だけど、流れは断然こっちの物だった。
 新城高校の人達は疲れ切っている様子で息切れや汗がすごかった。
 エースの谷口も、水分を取る。谷口の目線はこうちゃん。


「まさか。あいつらが、ここまでやるとはな。潰すか、あいつ」


 谷口の目つきが変わった。ニヤリと笑う谷口。
 このあと、会場のみんなが恐怖で驚く事が目の前で起きたのでした。
 試合後半の合図がなる。位置確認しながら、試合が始まった。


「大谷にマークしろ!」


 谷口の大きな声で部員が反応し、
 こうちゃんの周りに新城高校の部員。
 身動きがとれないこうちゃんだったが、
 後ろから中川先輩がボールをこうちゃんから奪う。


「あっ!!おい、海斗!」


 突っ走る中川先輩。避けて避けて避けまくる中川先輩は
とても早かった。
 一気に追い上げ、シュートを決めた。


「俺もこの試合で勝ちたい。」


 中川先輩は、こうちゃんの前に立ってそう言った。
 こうちゃんは笑って、当たり前だと
 肩を叩いた。笑う中川先輩。勝ちたい、みんなで。


「ちっ…邪魔が入ったか。だが、次こそは…」


 谷口がぼそりと呟いた。
 試合がまた始まり、嫌な事件も始まった。


「チャージング!新城高校6番!」


 新城高校のラフプレーだった。
 こうちゃんの部員が、ボールを奪われる時に顔を殴られた。


「はーい!すんません」


 頭を下げながら笑う新城高校の部員。
 こうちゃんはそれを見て、
 イラつきが隠せなかった。
 

 次々とボールを奪われる時に殴られる部員たち。

 新城高校の人たちは
 審判に見えない位置でラフプレーを始めたのだ。
 何て、最悪な人たちなんだろう。
 私まですごくムカついてきた。


 新城高校にシュートを何度も決められてしまった。
 こうちゃんの我慢がキレたのか
 ボールを床に叩きつけた。
 落ち着け、中川先輩の言葉が聞こえた。


 そして。そのあと、エースの谷口は
 こうちゃんの怪我をしている右手に
 ボールを奪うと同時に勢いよく殴った。
 激痛が走ったのか、下に倒れ込むこうちゃん。


「うわぁぁぁぁ!!」


 右手を左手で抑えて、しゃがむこうちゃん。周りがざわつく。


「チャージング!新城高校1番!」


 審判の声で、谷口は笑っていた。
 審判はこうちゃんの元へ駆け寄り


「君、大丈夫か?」


 試合続行するか、聞いていた。