私はいつものように単語帳を開き呪文のように唱えて登校していた。
周りからは冷たい視線を浴びせられることもあった。
しかし、1位を保つためにはそんなこと気にしている場合ではない。
「あぁ~ちゃんッ!!」
声がし、誰かにスカートをひっぱられている感じがした。
それは..
「おはよう、日向ちゃん」
そう、日向ちゃんだ。
日向ちゃんは2年生で顔はどちらかというと梓に似ているような気がした。
「あぁ~ちゃん、ガッコ!ガッコ!」
日向ちゃんは目を輝かせて言った。
「一緒に行こうか?」
そういうと、日向ちゃんは首を縦に振り私の手を握った。
「っあ、そういえば...」
もう1人足りない..。
「ひかげぇ、いないよぉ」
日向ちゃんの双子の姉日影ちゃんがいなかった。
「日影ちゃん今日はどうしたの?」

すると―-――
「...あーちゃん」
後から誰かの声がした。
それはまさしく日影ちゃんだった。
日影ちゃんはどちらかというと私と同じ雰囲気をかもし出している。
「日影ちゃん、いこっか」
そういい、2人と手をつなぎ登校をした。




 
              *****
「あのね、今日の日向の家にねお兄ちゃんきてるんだよぉ!」
「あ、そうだったね! お兄ちゃんどう?」
「お兄ちゃんはねぇ、カッコいいよ!」
今日は日向ちゃん日影ちゃんのいとこのお兄さんが来る日だった。
確か転校してくるとか...
まだ何歳かは分からないけれど私は小学生なのだと思っていた。
すると、日影ちゃんが
「憂にぃはね、やさしいよ」
憂にぃ....
そうだ、名前は沢森憂斗だった。

そんな会話をしながら私は2人と学校で別れた。